2005年01月17日

新聞投稿記録

神戸新聞、日本海新聞、産経新聞、朝日新聞の読者コーナーに掲載された自作の文章です。

■ 神戸空港をどう活用する ~発言(05/1/27 神戸新聞)

神戸空港に3社の就航が決まり、神戸空港の建設是非論から、伊丹空港縮小論に、論議が移りつつあるようです。残念なことは、いかに需要を分け合おうか、という「分配論」に、議論が終始していることです。

ある航空会社は、上海の貨物を、船で博多港まで運び、福岡空港から国内や欧米に運ぶサービスを開始します。上海からの距離的優位性と博多港を近くに持つ、福岡空港ならではの空港活用アイデアだと思います。

また、中部国際空港の近くに、自動車工場を造り、各地から空輸してきた自動車の部品を組み立てて、船で出荷することを考えているメーカーもあります。

「空港ができるのか。それなら、どんなビジネスが考えられるだろうか」「伊丹空港は、こういう特徴を持った空港だから、こんなビジネスはできないか」というような前向きな議論が、関西でも始まることを期待します。新幹線が「線」に対して、航空機は「面」。従って応用範囲が広いと思います。

■ 疑問に感じる ネット株取引 ~やまびこ(00/5/03 日本海新聞)

株式売買手数料の自由化やインターネットの普及に伴い、個人が自宅で気軽に株取引ができるサービスが伸びている。証券会社に行かなくても、いつでも自由に株式が売買できる。日本の株式は、会社が所有する割合が多すぎ、個人株主の比率を高めることが必要といわれているが、こういう形での個人株主の増加は好ましいことだろうか。

私は、株式市場は本来「アイデアや技術はあるけどお金がない」という会社に投資をする場所だと考えている。当然、結果は数年後にならないとわからない。つまり、そんなに売買を頻繁に繰り返すところではない。ところが、ネット取引では簡単に売買できることから、必要以上に売買を繰り返してしまう恐れがある。

資金が限られる個人投資家に、リアルタイムで売買できるシステムが果たして必要だろうか。

■ お花見のごみ 持ち帰っては ~やまびこ(00/4/13 日本海新聞)

私の住む姫路には、世界文化遺産に指定された姫路城がある。ここは、関西でも有数の桜の名所で、観光客が多く訪れる。また、夜にはライトアップされた姫路城とともに夜桜が楽しめるため、地元の市民もお花見宴会に利用している。

職場の仲間や気の合った仲間と、お花見宴会で盛り上がるのは大変結構なことなのだが、問題は宴もたけなわになってくるとうず高く積まれるごみの山。一応、ごみ箱のあるところに捨てられているようなのだが、ごみ箱に入りきらずに、巨大なごみ山になっているのだ。桜並木に彩られた美しい姫路城と、あまりに不似合いで、天国と地獄を同時に見るような、恐ろしい光景になる。

そこで提案。地元の人は、たとえごみ箱が設置されていたとしても、お花見の時は、自分のごみを持ち帰ってはどうかということだ。宴会の幹司さんも、最初からごみは持ち帰る段取りで計画してほしい。ごみ箱は、遠方から来られる観光客に空けておこうではないか。

■ 飛行機の特割 行動変える力 ~やまびこ(00/4/1 日本海新聞)

ゴールデンウイークに東京に遊びに行くことになった。検討に検討を重ねた結果、岡山空港から東京に行くことに。姫路からだと新幹線なら直通4時間弱。まして、岡山は逆戻りなのだが、そこまでして飛行機で行く理由は、「安いから」。通常料金だとまだまだ飛行機が高いが、全日空の特割で岡山-東京間は15000円。激割だと10000円になる。今回は4/29~5/1の旅行なので、行きが15000円、帰りは10000円と、新幹線よりも安上がりになるのだ。

また、大阪ではなく岡山空港にした理由は、駐車場代がタダだから。全日空の全国共通10000円というのは、これまでの行動パターンを根本的に変えるほどのパワーを持っていると思う。

■ リプレー使い 内容を濃く・・・ ~野球中継に思う(98/8/22 産経新聞)

私の住む兵庫県には阪神とオリックスの本拠地があるが、地元の放送局は、阪神戦9に対して、オリックス戦1の割合しか放送しない。商業放送だから、スポンサーのつかない番組を放送できないのは当然で、これ自体批判されるべきものではない。しかし、番組内容にはもう一工夫あってもよいのではないか。

テレビ中継の強みはリプレーとプロの解説で、これを最大限に生かして技術的な興味を満足させてくれるものにすべきである。

ほとんどの試合を中継している阪神戦と異なり、めったに放送しないオリックス戦であれば、こうした技術的な解説も、10日分まとめてやるくらいの工夫がほしい。未放送試合の内容も流したり、選手の好不調を「流れ」の中で分析するのである。

1回の中継を10回分の濃さの内容にすれば、オリックスファンも納得するし、10分の1の時間でペナントレースを楽しめるというのも、新たな野球観戦の楽しみ方だと思う。

■ 親子で内容を選択する時代 ~ゆとり教育(98/7/4 産経新聞)

これまでの教育は、できるかぎり長時間、学校に拘束することが最も重要視されてきました。これは、農村型社会から産業社会に転換するために、優秀な工場労働者を大量に養成する必要があったからです。

そこでは、できる限り均質で画一的な教育メニューが提供され、子供や親に選択の余地がありませんでした。その結果、平均点は総じて高いが、飛びぬけた人間もいなくなるという均質社会が実現し、それが、高度経済成長期にはわが国最大の強みになりました。

しかし、先進国の仲間入りを果たした現代では、それがかえって弱点になりつつあります。時代が求めているのは、多様な価値観や判断力、自立性を持った人間を育てることです。

そういう意味では、学校には必要最低限をまかせるが、それ以外の拘束されない時間は、子供と親の判断と選択にまかせて塾に行くのもいいし、自宅や屋外サークルで過ごすのもいいのではないかと思います。

週休2日、3日になることも、また午後から登校の日をつくったり、フレックスタイム制なども取り入れていくべきです。学校での拘束時間が減ることに全面的に賛成です。

■ 「偉い人」離れ 好ましい風潮 ~今年言い残したこと(96/12/14 朝日新聞・兵庫版)

「政治家にビジョンがない」「官僚に倫理がない」「教師に熱意がない」と、今年もないもの探しが行われました。しかし、いままで「偉い」と言われていた人々を、みんなが頼りにできないと考え始めたことはとてもいいことだと思います。「世の中には、愚かな人と偉い人がいて、愚かな人は、偉い人の言うことを聞いていればいい」という社会を私は好みません。

これまで「偉い人」は、社会の目的を統一し、国民の目をそこにむけようとしてきました。でも、社会の目的は個人の幸福であり、何が幸福かは個人によって異なります。個人がそれぞれ考え、実現していくものです。決して「偉い人」が考え、実現していくものではありません。

最近の政治離れ、役人離れ、学校離れの風潮は好ましいことです。政治べったり、役人べったり、そして、行きたがらない子どもをむりやり学校に連れて行くというようなことは、もうやめたほうがいいと思います。

■ パソコン併用 有意義に使う ~「携帯電話」どう使う(96/11/9 朝日新聞・兵庫版)

本来、電話は他人にとって迷惑なものです。そのため、企業では電子メ-ルが普及し始めました。電話の迷惑とは、相手がどういう状況にあるのかわからないのにベルを鳴らすことと、声を出さないとコミュニケ-ションできないこととの2つです。

私は外出先でも、パソコン通信ができるように、携帯型のパソコンと携帯電話を持ち歩いています。パソコン通信は、センターにダイヤルはしますが、電話を受けることがないためベルがなりません。

また、キーボードを通して意思を伝えるため、声を出す必要もありません。ちょうど、電話の弱点をカバーしています。

新しい技術が登場すると、やみくもにそれを否定する人がいますが、どううまく利用するかを考えたほうが、社会にとって有意義だと思います。

■ 情報の保管庫 検索が簡単に ~ワープロ・パソコンどう使う(96/9/7 朝日新聞・兵庫版)

パソコンはここ1、2年で日常の道具として使えるようになり、すでに1人1台必要なものになっています。それは、デジタル情報の保管庫として使うためです。デジタル情報には文字と画像があります。

日記をつけている人は、すぐにでもパソコンに切り替えるべきでしょう。そうすれば、日常の記録が単なる記録から使える記録に変わります。パソコンは検索が得意ですから、一見どんなにつまらない記録でもあとあと役立ちます。

画像のほうは、デジタルカメラが安くなったので、簡単にパソコンに取り込めるようになりました。インターネットで標準となっているHTMLという形式で補完すれば、文字と画像が一緒に保存でき、目的の画像につながるハイパーリンク機能で検索も楽にできます。日常の記録、保管手段として、こんなに便利で手間いらずなものはほかにありません。

  


Posted by miki  at 23:00Comments(0)